土曜日

副王家の一族

シチリアの名門貴族、ウゼタ家は、絶対的な家長であるジャコモに家族の運命すべてが決められている。幼い頃からジャコモに厳しく教育されてきた長男のコンサルヴォは、専制的な父と激しく対立。おりしも時代は革命の嵐が吹き荒れる共和制への移行期。旧きと新しきがぶつかりあう潮流は一族の運命を翻弄していく。


完璧な時代考証、凝りに凝った美術、台詞といい台詞まわしといい、すべてが大げさ! それがちゃんと様式美にまで達しているところは、「ランジェ公爵夫人」を思わせますが、場所がイタリアだけにもっとこってりしております。(え、あれ以上? と思った方は、こわいもの見たさに是非どうぞ 笑)


「副王」とは、王によって地方での国王代理を任命された行政官のこと。ウゼダ家がシチリアの副王の末裔という設定は、ヴィスコンティの「山猫」を思い出させます。それもそのはず、この映画の原作「副王たち」に影響を受けて、小説「山猫」は書かれたのです。父子の確執、政略結婚、権力闘争ときたら、某華麗なる一族にも思いは至り、世界の名作は連綿と繋がっているな〜、と感慨深いです。

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