土曜日

1/21開催 “テザ”で味わうエチオピア


1/21()「テザ 慟哭の大地」上映終了後、神戸アートビレッジセンター1F1roomにて、京都文教大学の松田教授がエチオピアの文化や風土についてお話ししてくださいました。

教授は、チオピアの布をまとい登場され、映画の背景にあるエチオピアの現代史を中心に、わかりやすく解説してくださいました。参加された皆さんは、真剣にメモを取ったりしながらお話に聞き入っている様子でした。

会場ではエチオピアのオーガニックコーヒーを配布。香りがすごく良く、味わい深いコーヒーに、コーヒーの国のすばらしさを実感できたのではないでしょうか。

「テザ 慟哭の大地」は27日(金)まで上映しております。

木曜日

天使突抜六丁目1/14(土)上映初日、 主演の真鍋 拓さんの舞台挨拶がありました!



当館での上映初日に、主演の真鍋 拓さんが舞台挨拶に駆けつけてくださいました。配給を担当しているシマフィルムの田中誠一さんが進行で、制作秘話や、主演された感想を話されました。

 初めて映画の主演に抜擢されたこともあり、緊張した面持ちで挑まれた撮影でしたが、ユーモアあふれる監督と、俳優として大先輩である方々に支えられ、楽しみながら出来たそうです。柄本明さんには演技についてアドバイスをいただけたそうで、思い返し感動されていました。麿赤兒さんについては、“麿飴”のよう(!)に非常に優しい方だったそうです。“麿飴”は当館にて販売もしています。この機会に是非ご賞味ください!

 オーディションで監督が真鍋さんを選ばれた理由は「目が輝いていたから」だそうです。ぜひ熱演光る真鍋さんを、劇場でご覧ください!120日まで上映しております。

ぴあフィルムフェスティバル2011 IN 神戸開催!




今年も新進気鋭の若手映像作家の作品が一同にそろうぴあフィルムフェスティバルが開催されました。初日は準グランプリを受賞した「春夏秋冬くるぐる」の日原進太郎監督と、バンクーバー国際映画祭でスペシャルメンションを受賞した「Recreation」の永野義弘監督が来場。さらに、神戸芸術工科大学出身の永野監督の、学生時代の恩師である同大教授・石井岳龍監督と師弟トークイベントも開催しました。

日原監督は16ミリフィルムへのこだわりがあるそうで、デジタルをたまに使うとき、美しさや簡単さに驚かされるが、あえて4対3の画角にし、アナログ感を出すのがすき、とおっしゃっていました。質疑応答では会場で見ていた永野監督から質問があるなど、多くの意見が飛び交い、日原監督も新たな発見があったご様子で感慨深い面持ちでした。

トークイベントでは永野監督も石井監督も福岡出身で、作品も福岡が舞台ということもあり、お二人の福岡愛を感じるトークに会場も盛り上がりました。劇中ではまるでドキュメンタリーのような、自然な語り口調の役者さんたちへの演出方法については、永野監督自身が劇中の仲間の一人として入り込み、一緒に演じていくことで役者さんたちの演技力を“引き出す”ということに挑戦されたそうです。

会場には永野監督の同級生も応援に駆けつけており、今は神戸を離れている監督の凱旋に、会場は始終熱気に包まれていました。

今月26日まで、作品は日替わりで未来を担う作家たちの至極の作品が上映されます。この機会、お見逃し無く!

※上映は終了いたしました。

今関監督来館!



「カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜」の、今関監督が舞台挨拶に駆けつけてくださいました!本作の上映館を探している最中におこった3.11東日本大震災。監督は、日本において震災後、原発事故に対する意識や注目が集まり、この作品の見られ方も以前より変わっているだろうとおっしゃっていました。

この作品は、監督がチェルノブイリを訪れ現地の方と交流した中で生まれたもの。普遍的な家族への愛の物語を軸に、原発についての問題提起をしています。監督自身、現地の方とふれあい、作品を見た人と交流し、いろんな意見や感想を得たそうです。

今後もたくさんの方に映画を、そしてチェルノブイリの現実を知ってもらい、いろいろ意見交換をしていきたいと語ってくださいました。見る人を怖がらせるような演出ではなく、前半の大半はのどかな田園風景が広がるようなおだやかな作りになっていることも印象的です。今後も国内、海外問わず世界中で上映されるような息の長い映画になればと思います。

水曜日

ホッテントットエプロン-スケッチ 舞台挨拶開催しました!



1210() 七里圭監督、主演・阿久根裕子さんが舞台挨拶に来てくださいました!

神戸では初上映となった今作、サウンド・リミックス版として特別な方法で上映いたしました。

2006年に完成した作品が、ついに神戸で上映できたことが奇跡のようです、と感動もひとしおのお二人でした。監督は、若干二十歳の阿久根さんが全編台詞なしの演技に挑まれたことを感慨深く思い返しているご様子で、阿久根さんは観客のイマジネーションを刺激する作品です、とご紹介くださいました。

愛知芸術センターの助成金を得て制作された作品で、阿久根さんやその場のスタッフと話し合いながら自由につくっていったそうです。監督は阿久根さんに導かれたようなものです、とおっしゃっていました。

上映前には振る舞いワインが企画され、お越しいただいたお客様も和やかな雰囲気で映画上映をお楽しみいただけたご様子でした。

火曜日

ドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督の トークイベントを開催しました。


東京、神戸、高知、金沢、京都と開催のフレデリック・ワイズマン レトロスペクティヴ。神戸では1029日よりワイズマン監督の作品を上映しておりましたが、ついに11月4日(金)ワイズマン監督ご本人が、神戸にいらっしゃいました!たくさんの方にご来場いただき、監督によるトーク、「ボクシング・ジム」の上映、そしてお客様と質疑応答の時間を合わせて約3時間、大変濃密な時間となりました。

監督によるトークのテーマはずばり“私の映画”。観察に徹している姿勢、思想、価値観など監督の人間性から、具体的に普段どのようにして映画を制作されているのか、手順を追って撮影、編集に至るまでの説明、さらに、ドキュメンタリーを撮るにあたって必要だと感じていること、何事にも関心や疑問を持ち、普段より人間観察をする姿勢であるべきだと語られました。また、リズムを非常に大切にしているとのこと、足でリズムを刻みながら編集をし、膨大な撮影時間となった全素材を何度も見直しているなど、ワイズマン監督作品の制作秘話を聞くことが出来るすばらしい内容でした。

「ボクシング・ジム」上映後の質疑応答では、たくさんの手が上がり、先ほどのトークの内容から、「ボクシング・ジム」の劇中のこと、ボクシングというスポーツに対してどのようにとらえていらっしゃるのかなど様々で、それに一つ一つ丁寧に答えてくださった監督。大学での銃撃事件についてのニュースが、ボクシング・ジムで流れているシーンに関しては、監督にとって非常に重要なシーンであり、ニュース内容とボクシングというスポーツが形式に沿った暴力であることとの対比を表現した、など質問にあがらなければ聞けなかったかもしれないお話も聞くことが出来ました。

最新作「クレイジー・ホース」の説明もしていただき、それを聞いたみなさんは早くも最新作の劇場公開(日本では来年夏を予定)が待ち遠しいご様子でした。そのときにでも、また来日していただけることを期待、熱望したいと思います。

内容のみならず、音の響きを含めて“ことば”に対して非常に重要視し、全体のリズムを大切に、1カットであっても無駄はない、全て必要と感じているからこその編集、と語られた監督。全てに意味はあるけれど、それをどう観客が感じるかは自由だ、とおっしゃっていました。

ワイズマン監督の作品を見たとき、作品の中に登場する様々な人のように、見る側も様々な感じ方が生まれると思います。当館での上映は6日まで上映しております。

日曜日

10/2「朱花の月」河瀬監督・こみずとうたさん舞台挨拶がありました!



 神戸では秋晴れの心地いい午後、1日より始まりました「朱花の月」の上映終了後、監督の河瀬直美さん、主演のこみずとうたさんお二人による舞台挨拶を行いました。本業を映画撮影隊のご飯を作る“ケータリング”のお仕事をしているこみずさんが、今回俳優として参加され、その心境など語っていただきました。

“拓未”というキャラクターを自身に落とし込むためもあり、撮影前より合宿として当時住んでいた東京を離れ、奈良の撮影現場となった家に移り住んだこみずさん。霧深い山を毎日歩き、徐々になじんでいったそうです。特に本編冒頭の村の寄り合いのシーンはとてもリアルで、自然体が映し出されていますが、それは村に住み、“とうた”ではなく、“拓未”としてその土地の方々に受け入れられていった結果だそうです。

それについて河瀬監督は、“拓未”が受け入れられ、みんな自然体で作品に映し出されているのは、撮影隊がその土地にとけ込み、一般の方に受け入れられているということであり、時間をかけ、丁寧につくりあげたこの関係性が演出の成果、とおっしゃっていました。

 こみずさんはそんな奈良の魅力にとりつかれたご様子で、今は東京から奈良に引っ越し、お店をひらいてられるそうです。しかも本日は、そんな魅力あふれる奈良から、明日香村、高取町、橿原市の頭文字をとったゆるキャラ「あたかちゃん」も登場!かわいい容姿にお客様も、当館スタッフもメロメロになりました。

 また、こみずさんが3.11以後、作られたという歌をアカペラで歌ってくださる場面もありました。舞台挨拶終了後は、お二人とも快くサイン会をしてくださり、本日は本当にありがとうございました!

火曜日

9/10(土) 「グッド・ハーブ」上映初日、配給会社Action inc. 代表 比嘉世津子さんに、 舞台挨拶をしていただきました!


 

9/10大都市メキシコシティを舞台に、先住民の英知である薬草と母娘のものがたりを描いた映画、「グッド・ハーブ」を携えて、配給会社Action inc.代表の、比嘉世津子さんにお越しくださり、舞台挨拶をしていただきました。

 この作品を買い付けたのは、東日本大震災の後すぐだったそう。震災後、原発関連などのドキュメンタリー作品が多く上映されるようになったなか、永遠のテーマとも言える生や死に関する劇映画を見たいと思ったのが理由と語ってくださいました。

 「グッド・ハーブ」のマリア・ノバロ監督は、紛争や犯罪をテーマに映画が作られることの多い、男性的でマッチョな国とも言えるメキシコの映画界で唯一、メキシコシティーで生活する様々な一般女性を撮り続けてきました。認知症という、日本では悲劇的、あるいは美化されがちなテーマを、メキシコの古代から受け継がれるハーブや、ラテンの音楽といった要素を取り入れ、ゆったりとした流れでストーリーが展開していくところも魅力の一つだそうです。

 また、母と娘という、取るに足りないことでケンカはするが、なかなか肝心な所はお互い言えなかったりする微妙な関係性も、女性ならではの視点で見事に描き共感を呼びます。

 ハーブの紹介、メキシコのロケ地マップなどなど、精魂込めて作ったパンフレットも必見とのこと!

暑い中お越しくださったお客様、そして比嘉さん、本当にありがとうございました!

※当館での「グッド・ハーブ」の上映は終了いたしました。日程に誤記のチラシが一部出まわっておりますのでご注意ください。

木曜日

「庭にお願い」倉地久美夫さんミニライブ開催!

7月23日(土)「庭にお願い」の主役であり、シンガーソングライターの倉地久美夫さんにお越しいただき、上映終了後にミニライブを開催いたしました。遅い時間からのスタートにも関わらず、たくさんの方にお越しいただきありがとうございました!

 映画の中から飛び出たかのような裸足でラフな服装の倉地さんの登場に、会場は大いに盛り上がったミニライブ。チューニングの合間に映画について軽くMCを挟みつつ、「エリンギの鬼」を含む3曲をギター一本で熱唱し、大きな拍手がおこりました。

 終了後は即席サイン会も行われ、当館のポスターにも大きくサインを書いていただきましたので、お越しの際はぜひ探してみてください!

 また、翌日24()には神戸・塩屋にある旧グッケンハイム邸で、「庭にお願い」上映記念イベントが開催され、映画についてのトークとライブセッションが行われました。倉地さんの魅力を存分に堪能できた2日間になったこと思います。

映画は729日(金)【火曜日休館】まで当館にて上映しております!まだ倉地さんの魅力に触れていない方、ぜひ劇場で唄っている倉知さんに会いに来てください♪

「ミツバチの羽音と地球の回転」鎌仲監督&藤波心さんによるティーチ・イン開催!

「ミツバチの羽音と地球の回転」「六カ所村ラプソディー」「ヒバクシャー世界の終わりに」を監督した鎌仲ひとみ監督が、「ミツバチ〜」の上映終了後、1階1roomにてご来場のお客様と意見交換をする、ティーチ・インを開催いたしました。

 東日本大震災後、自身のブログにて原発に対する意見を書き込み話題となった、14歳の藤波心さんもともに登壇。食べ物に対する不安など、今素直に感じていることをしっかりとした言葉で熱心にお話しされる藤波さんの様子を見て、会場から驚きと関心の拍手がたびたび起こっていました。

意見交換では、経験と知識を持つ監督にぜひ伺いたい!と、たくさんの方から質問が飛び交い、とくに、祝島や六ヵ所村、または海外において、現状はどうなっているのか、またどんな取り組みや問題点があるのかなど、私たちの知らなかったことを専門的なお話もふまえて、丁寧にたくさん教えてくださった監督。またお客様より、原発に対する意見を述べたことで困ったことなどは無かったですか?と藤波さんを心配する声も。そのお話を聞いた監督は、言論の自由があるはずなのになぜ?と思うことがある、と残念そうにされ、危険ではないか、駄目なんじゃないか、と思うことはみんなそれぞれ口にすべきだし、ひとりひとりの勇気と行動こそ今必要なのでは、と訴えられました。

 世代、性別問わずたくさんの方が集まり、原発や環境問題に対する関心や問題意識の高さを感じました。

ティーチ・イン終了後はパンフレットなどに快くサインをするなど、お客様との交流を率先して行われ、二時間弱のイベントは、皆さんの笑顔で幕を下ろしました。監督、藤波さん、そしてご来場の皆様、本当にありがとうございました。

 「ミツバチの羽音と地球の回転」は8/5()まで上映しております。

「ふゆの獣」内田監督来館!


 7月10日(日)、30日より上映いたします「ふゆの獣」の内田伸輝監督が、当館に立ち寄ってくださいました!
 
 掲示しているポスターにサインをお願いしたところ快諾してくださり、脚立を上って(多少無理な姿勢かも…汗)書いてくださいました!
 
 内田監督、ありがとうございました!ご来場のお客様も、ぜひサインを探してみてください♪

11回東京フィルメックス最優秀 作品賞受賞
「ふゆの獣」は7月30日(土)〜当館にて上映いたします!

「ショージとタカオ」桜井昌司さんが来館されました!


 7月10日(日)「ショージとタカオ」のショージこと、桜井昌司さんが舞台挨拶に駆けつけてくださいました!

 大きな拍手で迎えられた桜井さんは、明るくユーモアを交えながらお話され、大盛況となった会場も、ときおり笑い声があがるなど、楽しい雰囲気となりました。

 桜井さんは、無実の罪で獄中生活を送ることになったことについて、むしろ幸せだと感じているそうです。なぜなら、今まで救援会の方々など多くの方に支えられ、人の優しさや大切さを感じることが出来、また、えん罪事件の当事者となることによって、世の中の不条理を世間に伝える使命を得たと考えておられるからだそうです。布川事件についての資料を公開し、ご来場の皆さまに当時のことを説明しながら、今後の裁判員制度について触れられ、一般の方が裁判に参加される際、検察や警察が真実を隠すようなことがあればみんなが正しく判断できなくなる、と憤りを感じておられるご様子でした。

 なにより明るいお人柄のご様子で、歌って語れるえん罪経験者(!)として今後も活動を続けられるそうです。今後は歌のディナーショーが企画されているとのこと!桜井さんを応援してくださる方や、ファンがさらに増えることが期待されます。

 桜井さん、ご来場のお客様、お暑い中お越しいただき、本当にありがとうございました!

水曜日

「幸せの太鼓を響かせて〜INCLUSION〜」太鼓指導・音楽担当の時勝矢 一路さんが 来館されました!


知的障がいを持つプロの和太鼓集団「瑞宝太鼓」のメンバーが、時勝矢さんの書き下ろした新曲に挑戦し、全国2位に輝くまでを追ったドキュメンタリー映画「幸せの太鼓を響かせて〜INCLUSION〜」の上映初日を記念して舞台挨拶が行われました。

 メンバーに対し、プロと同じように厳しく指導されたという時勝矢さん。口唱歌(くちしょうが)という、昔から太鼓曲を継承するときに、 リズムを言葉に直して伝える方法を、時勝矢さんなりに現代風にアレンジし、メンバーがなじみやすい言葉で練習できるよう工夫したそうです。

しかし、限られた指導時間の中で、急速にメンバーが上達していった事について、“私だけではなく、練習法を指導したスタッフの方々が確実にメンバーに伝えてくれた事や、支えてくれている家族や周りの人たち、そして何より、真剣に和太鼓に取り組んだメンバー自身の努力です”と時勝矢さん。みんなで成し遂げた素晴らしい結果、とおっしゃっていました。

 プロの和太鼓奏者として家族を養い、生計を立てているメンバーたち。時勝矢さんが書き下ろした『漸進打波』を「瑞宝太鼓」のメンバーが力強く演奏するシーンには迫力がありとても感動します!ぜひ劇場で、和太鼓のリズムが奏でる躍動感を体感してみてください。

月曜日

「和田淳と世界のアニメーション」CALFトークショーを開催しました。


6/18()「和田淳と世界のアニメーション」上映初日に和田淳さん、水江未来さん、土居伸彰さん、また当日飛び入りの廣瀬秋馬さんにお越しいただき、トークショーを開催しました。

今回の上映会の見所や、同時開催の「アニメーションズ・フェスティバル」の内容もふまえながら作品をご紹介いただきました。和田さんの作品は、初期のものから最近のものまで全てラインナップに入っており、作風の変遷も楽しんで見ていただけるとのこと。和田さんの作品以外のものは、世界の映画祭などで見てきた和田さん自身が、“なんでかわからないけれど、もう一度見たくなる、何度でも見たくなる”そんな作品がラインナップされているそうです。

また、和田さんと水江さん、またCALFメンバーの一人でもある、大山慶さんの作品制作風景も映像で紹介。和田さんが、シャーペンで絵を描いている様子や、水江さんの色づかい、大山さんのパソコン上で細かく実写をコラージュしている様子などが映し出されました。

それぞれ作り方の違いはもちろんありますが、みなさん気の遠くなるような緻密な作業をされている様子が映し出され、会場から驚きの声が上がりました。

和田さんは神戸出身とのこともあり、昔なじみの方もご来場くださり、大盛況のなか、始終アットホームな雰囲気でのイベントとなりました。

上映後はロビーにて質疑応答や即席サイン会も行われ、とても素敵なCALFの皆様でした。

「堀川中立売」出演者の方々による初日舞台挨拶を開催しました。


 4/16()「堀川中立売」神戸公開を記念して、主演の信介役・石井モタコさん、安倍さん役・堀田直蔵さん、祈きらら役・祷キララさん、寺田役・野口雄介さん、作品の主要キャラを演じた方々が舞台挨拶に駆けつけてくださいました!!

 次回出演作の役作りのために15キロ増で、「堀川中立売」出演時より見た目がふっくらした野口さんや、トレードマークともいえるさらさらロングヘアーをばっさり切り、坊主姿になった石井さんに、驚いたお客様もいたことと思われますが、堀田さんの変わらなさぶりに安心感も得られた(?)ことと思います!

 ご来場いただいた4名には「おすすめ、また、お気に入りのシーンはどこですか?」と質問をさせていただきました。

 堀田さんは、晴明神社のシーンが非常に美しいとお気に入りのご様子でした。石井さんは、ジャッキー・チェンにあこがれ続けている自分のカンフーシーン!と自信ありげにお答え。また、祷さんは、最後の歩道橋のシーンが、作品が終盤にさしかかり、終わってしまうことへの切なさもあって印象的だとか。野口さんは、捨てシーンは1つもなし!すべてが見所!と力強くお答えいただきました。

 ちなみに、野口さんは以前プライベートでよくKAVCに映画を見に来てくださっていたこともあり、本作の上映に人一倍喜ばれているご様子でした。

 堀田さんは「なんじゃこりゃ??」と思うストーリー展開も、現実世界における不条理などに不思議とリンクするところがある、とおっしゃっていたとおり、見る人すべてに何かを残す衝撃作に仕上がっている本作、サントラも素敵と評判です!ぜひ劇場にてご覧ください。

※当館での上映は終了いたしました。

「玄牝 げんぴん」河瀨直美監督来場!

自然なお産に取り組む、愛知県にある吉村医院の吉村医師と、妊婦さんたちの過ごした四季をおったドキュメンタリー、「玄牝 げんぴん」の河瀨監督が、舞台挨拶のためKAVCシアターに来場されました。

当館では初めての試みとなる“家族みんなであんしんシネマ”の中、当日はたくさんのお子様連れの方で会場はほぼ満席に!たくさんのご来場、本当にありがとうございました。

重いカメラを一人で持ち、出産という普遍的かつ、神秘的なテーマに挑まれた監督。劇中、畳の上で出産するお母さんに寄り添うお父さんの姿があることに触れられ、出産に立ち会われたお父さんは、今後の子育てへの関わり方も変わってくるらしいとのこと。ぜひご家族みんなで見て頂きたいと思います!

「玄牝 げんぴん」は2月18日(金)まで上映しております!

「ルイーサ」配給のAction Inc.比嘉世津子さん来場!


「ルイーサ」の配給を手がける比嘉さんに、初日舞台挨拶をして頂きました。

2001年に経済破綻してしまったアルゼンチン。そのとき銀行口座が凍結し、その影響で未だに多くの人が苦しんでいます。今月頭には、トンネルを半年かけて掘り、貸金庫を空にした銀行強盗も現れたそうです。

そんな背景を思いながら現代のアルゼンチンを舞台にした本作を見ると、突然解雇されてしまったルイーサの気持ちが痛く感じられます。

しかし、「ルイーサ」はコメディー。字幕も自ら入れられた比嘉さんは、“スペイン語が母国語の方でも納得してもらえる字幕にしました”と、笑いどころはきっちり字幕におこされているそうです。

どん底に落とされたルイーサの奮闘を、時に共感し、時に笑い、そして見た後何か心にぐっと来るものをぜひ劇場で感じていただきたいと思います。

映画「ルイーサ」はKAVCシアターにて1月21日まで上映しています!

金曜日

「祝の島」纐纈あや監督来場!


9月12日(日)纐纈あや監督がKAVCシアターで舞台挨拶を行いました!

日曜日のお昼、お天気にも恵まれ、シアターはお客様でいっぱいに。中には、祝島出身の方もいて、ご家族みんなで監督に会いに来て下さいました。

 皆様、ご来場本当にありがとうございました!

 まるでKAVCシアターが祝島の一部になったかのような温かい雰囲気に包まれ、拍手で迎えられた纐纈監督。「原発問題で揺れている島だから、きっと閉鎖的だろうと勝手なイメージを持っていたが、島の人はみんな温かく撮影隊を受け入れてくれた。」と島の印象を語る監督。また、「島の人たちみんなが、先祖のこと、子や孫のことを大切に思い、続く命のために自分たちは何が出来るかを常に考えている姿に感動した」と、丁寧に話されました。

 そんな温かい人々のくらしや美しい自然をありのまま映す一方で、過疎や、高齢化、原発問題によって引き裂かれた島民たちの様子もひしひしと感じ取れます。これからご覧の皆様にも、ぜひこの作品を通して何かを感じとって頂けると嬉しいです。 

 映画「祝の島」は9月24日まで上映しています。

土曜日

プリート・パルン傑作選「雨、ダイバー、眠りたい女」パルン氏来場


8/13()プリート・パルン傑作選の上映初日に、作者である、プリート・パルンさんと、オルガ・パルンさんが来場され、傑作選の上映プログラムCと、上映後の挨拶、質疑応答が行われました!

当日はたくさんのお客様にご来場頂き、本当にありがとうございました!

お客様からの鋭い質問に、ひとつひとつ丁寧に答えていくパルンさん。それをサポートするようにオルガさんもお話しして下さいました。

「私の作品にメッセージはない」「見た後に何か感じてもらえればそれだけで嬉しい」とパルンさん。“素敵”と感じることについて、短歌に例えるなど日本ならではの答え方をされていました。

見た人の心をとらえる作品の数々。ご来場のお客様にはきっとそれぞれに感じる何かがあったのではないでしょうか。

プリート・パルン傑作選は822日まで上映しています。

火曜日

「小三治」アンコール!

昨年夏にKAVCで上映され、好評を博した「小三治」。鬼気迫る高座での顔と、多趣味なプライベートとのギャップが新鮮な驚きでした。
その小三治師匠の、4月10日神戸新聞松方ホール独演会記念として、映画「小三治」をアンコール上映。独演会のチケットはすでに完売とのことですが、映画「小三治」で高座の様子をたっぷり堪能しませんか。
上映期間は4月17日〜23日(火曜休)。

月曜日

「イエローキッド」監督舞台挨拶

黒澤清監督も大絶賛の大型新人、真利子哲也監督の「イエローキッド」上映決定です。

ボクサー志望の青年田村と出会ったマンガ家・服部は、田村をモデルに「イエローキッド」というマンガを描き始めるが、田村の行動がストーリーをなぞりだす。服部は田村がマンガの筋通りに殺人を犯すのではないかとおそれはじめる。

予算200万、撮影期間2週間で撮られたまさにアイディア勝負の作品。先の読めないスリリングな展開に魅了されること間違いなし!

そんな気鋭の真利子監督が、3/14の20:10回の舞台挨拶に来られます。初日3/13ではないのでご注意。みなさまのおこしをお待ちしています〜

日曜日

海角七号〜君想う、国境の南〜

南の国へ行く途中、トランジットで台湾に寄ったことがあります。乗り継ぐ飛行機までの待ち時間がハンパなくて、空港で時間を潰すのは無理! と、台北の街へ繰り出しました。夜市をぶらぶらして、巨大な屋台コートで食べ歩き、中心街の店をのぞく。都会はどこの国も同じに見えるので、異国情緒はあんまり感じられないな、と少し残念に思いながら。

市バスの乗り方が分からなくてうろうろしていたとき、案内係のおじいさんが「どこに行きたいですか」と日本語で話しかけてきました。つられて日本語で説明すると、おじいさんはやはり日本語ですらすらと説明してくれました。戦前生まれの台湾人は、植民地時代のなごりで、かなり流暢に日本語が話せるんだそう。台湾人のおじいさんと日本語で話していると、わたしはどこにいるんだろう、と不思議な気持ちになって、それが台北で感じた唯一の異国情緒かもしれません。逆説的だけど。


さて、「海角七号」。台北でミュージシャンになる夢を諦めた阿嘉が、台湾南部の故郷・恒春に戻るところから物語は始まる。郵便配達の仕事を始めた阿嘉は、今はない住所「海角七号」宛ての荷物を発見。それは戦後直後に台湾から引き上げた日本人青年の、台湾人女性への七通のラブレターだった。

そんなおり、ビーチで歌手の中孝介(本人!)のライブイベントが開催されることに。前座バンドを町民で結成するという町長の提案で集まったのは、少女から老人まで個性豊かなメンバー。ボーカル&ギターとして引っ張りだされた阿嘉は、日本側クルーの通訳をする友子という日本人女性と出会う。始めは反発しあっていた2人だが、バンドの練習を重ねるうちに惹かれあうようになる。


台湾最南端の恒春はエキゾチックな海辺のリゾート、それこそ異国情緒たっぷりのロケーション。人々の顔も漢民族とはちょっと違う。バンドにも台湾の先住民族という設定のメンバーが何人かいます。阿嘉を演じるファン・イーチェンにも、先住民の血が流れているのだそう。

台湾に住むさまざまな民族、日本人、結ばれなかった日本人と台湾人。いろんな人たちの思いをのせて紡がれるメロディーは、見る人の心を強く打って、台湾では自国映画最大のヒットとなりました。いよいよ4月に神戸公開です。


土曜日

副王家の一族

シチリアの名門貴族、ウゼタ家は、絶対的な家長であるジャコモに家族の運命すべてが決められている。幼い頃からジャコモに厳しく教育されてきた長男のコンサルヴォは、専制的な父と激しく対立。おりしも時代は革命の嵐が吹き荒れる共和制への移行期。旧きと新しきがぶつかりあう潮流は一族の運命を翻弄していく。


完璧な時代考証、凝りに凝った美術、台詞といい台詞まわしといい、すべてが大げさ! それがちゃんと様式美にまで達しているところは、「ランジェ公爵夫人」を思わせますが、場所がイタリアだけにもっとこってりしております。(え、あれ以上? と思った方は、こわいもの見たさに是非どうぞ 笑)


「副王」とは、王によって地方での国王代理を任命された行政官のこと。ウゼダ家がシチリアの副王の末裔という設定は、ヴィスコンティの「山猫」を思い出させます。それもそのはず、この映画の原作「副王たち」に影響を受けて、小説「山猫」は書かれたのです。父子の確執、政略結婚、権力闘争ときたら、某華麗なる一族にも思いは至り、世界の名作は連綿と繋がっているな〜、と感慨深いです。

月曜日

アンヴィル!



80年代に過激なステージングでカルトな人気を博したヘビメタバンド、ANVIL(アンヴィル)。50代になった今もメジャーで成功する夢を諦めきれないVo.リップスとDr.ロブは、数は少ないけれど熱狂的なファンを大事にし、ライブハウスでこつこつライブを続けている。バンドを本業にしたいけれど、現実はそうもいかず、工事現場やケータリング工場で働

く日々。


そんな彼らにヨーロッパツアーの話が舞い込むが、何のことはない、ライブハウスで日銭を稼ぐドサ回りだった。どん底を味わい落ち込むふたり。しかし再起をかけて、栄光華やかなりし頃の敏腕プロデューサーに売り込みをかけ、新作のレコーディングに挑む!


これ、フィクションじゃなくてドキュメンタリーです。腹が出て、ヘビメタ野郎のトレードマーク、カーリーヘアも薄くなりがちないいおっさん(ところで何でヘビメタ勢は全員あの髪型なんでしょう。知ってる方いたら教えてください)たちが、挫折やチャンスに怒って泣いての姿を見ると、こっけいを通りこして胸が熱くなります。激情家のリップス、知性派のロブ、キャラたちまくりの2人の喧嘩のシーンは、爆笑のちなぜかリップスにもらい泣き。いやあ、見てるこっちも忙しい。


作中では「日本」が重要なキーワードに。どんな場面でかは、その目でお確かめください〜

土曜日

ライブテープ

「童貞。をプロデュース」「あんにょん由美香」がヒット、今もっとも注目されている松江哲朗監督の最新作「ライブテープ」。元旦の吉祥寺、初詣シーンから始まるカット。おもむろに歌いだすサングラスにもじゃもじゃヘア、ギターを抱えた怪しげな青年が、ちょっとここでは書けないような(笑)イントロの歌を歌いだし、歩きだす。吉祥寺の商店街を流し、住宅街を流し、その間カットも歌も一度も途切れることがなく、なんと74分ワンカット。終点は井の頭公園、そこではちょっとしたカタルシスが・・・。


 ギターの青年は「DAVID BOWIEたち」のボーカル/ギター・前野さん。のびのある声でソウルフルに歌い上げる耳に残る歌詞がたまりません。音もめちゃめちゃいいです。臨場感があるのに、雑踏にまぎれていない。まるでライブハウスに居合わせているよう。こんなドキュメンタリー見たことない! 是非に劇場に足を運んで、前野さんと一緒に吉祥寺の町を歩いてみてください。


 なお2/6の19:00の回終了後、松江監督と前野さんによる舞台挨拶+ミニライブがありますよ。

水曜日

湖のほとりで

大変おくればせながら、新年あけましておめでとうございます。
気が付けば1ヶ月もレビューの更新をしていませんでした・・・
今年はもうちょっとマメに更新したいものです。という新年の誓いをたてておいて、3日坊主にならないように引き締まっていきたいです。

 さて、今年初レビューは来週15日から上映の、「湖のほとりで」。


 住人どうしが顔見知りの、犯罪とは無縁そうな小さな村で、若い女性の死体が見つかる。女性の名前はアンナ。湖のほとりに横たわる姿があまりに静かで美しいので、刑事サンツィオは知り合いによる犯行と推測、住人たちに聞き込みを始める。


 イタリアといえばきらめく太陽! うまい飯! ニキータ! みたいな陽性なイメージがありますが、「湖のほとりで」の舞台はしっとり湿った冬の北イタリア。グレーの空、沈んだような森の緑色。北はアルプス山脈に、南は地中海に面したイタリアの、カラフルな風土がしのばれるってもんです。日本もそうですが、縦長の国は北と南でずいぶん印象が違いますね。


 犯人探しの推理劇ですが、住民やサンツィオ自身の事情が絡んで、物語は濃い人間ドラマの様相を呈します。底に流れるのは、家族の誰かが障害者や病人だったときの、介護する側の心の揺らぎ。誰もが今すぐでなくても直面するかもしれない状況が、静かな中にも緊迫感をもって胸にせまってきます。

 一番の見どころは、湖のほとりに横たわる少女の美しすぎる裸体という声もなきにしもあらずですが(笑)


 上映日時はページ上部のタイムテーブルでご確認ください。


火曜日

「RISE UP 特別先行上映+舞台挨拶!」

遅くなってしまいましたが、先日3日に行われた「RISE UP」の副音声・字幕つき特別上映会のレポートをお送りします。


映画「RISE UP」は、事故で失明した少女・ルイと、パラグライダーに夢中の少年・航が出会い、ぶつかり合いながらも惹かれ合っていく、青春ラブストーリー。


視覚や聴覚の障害をもった方にも映画を楽しんでいただこうと企画された先行上映会には、当日はあいにくの雨の中、たくさんのお客様におこしいただきました。黄色い雨がっぱを着た盲導犬もご来場。「勤務中」と首からふだを下げたりりしい姿に、スタッフ一同めろめろでした。


上映後には監督の中島良さん(26才という若さにどよめきが)視覚障害を持ちながら写真を撮り続ける大平啓朗さんのトークを手話通訳つきの対談形式で。歳が近く、同じ筑波大学の出身という共通点もあってなごやかにトークは進みます。


中島:僕は大学のとき周囲との関係がうまく築けなくて、すごく落ち込んでいた時期があったんです。だからコミュニケーションの問題というのは、映画を撮り始めるきっかけにもなったし、今でも重要なテーマです。この映画の主人公は視覚障害者ですが、パラグライダーに夢中の男の子と出会って、少しずつ変わっていく。その過程というのは誰にも普遍的なことだと思います。


大平:主人公の女の子が知らないおじいさんにさりげない親切をされて、心を開くきっかけになる場面があるじゃないですか。あの場面は僕はすごくよく分かりました。あのエピソードは監督が考えられたんですか?


中島:あれは脚本家の入江さんの案です。入江さんはお父様が視覚障害をお持ちで、実体験に基づくエピソードも多いんだと思います。


大平:僕は見えなくなる前から写真は撮っていたんですけど、見えなくなってからもカメラがきっかけでたくさんの人と関わることができました。カメラもそうだけど、ほんとに些細なことで人って変われるんですよね。


最後には大平さんが、会場のお客さんみなさんと監督の集合写真を撮ってくださいました。


映画「RISE UP」は12/18まで上映しております。

また、12/12(土)からは、大平さんによる写真展が、!Fギャラリーで開催されますので、こちらもどうぞお立ち寄りください。

土曜日

ぴあフィルムフェスティバル グランプリ監督来場!

第31回ぴあフィルムフェスティバル、いよいよ本日29日が最終日となりました。

中日の昨日はグランプリ作品「一秒の温度」の井上監督が来場し、舞台挨拶を。会場は満員御礼で、補助席を出しての対応になりました。

監督はPFFの荒木ディレクターを相手に作品に対する熱い思いを語ってくれました。

「一秒の温度」は、小説家志望のフリーター(途中からニート)ノボルの、徒手空拳と自己嫌悪のくりかえしの日々が、吹き出さずにはいられないエピソードの数々でつづられます。

「これだけは言いたい、という台詞や、これだけは撮りたい、という場面が先にありきで、そこにもっていくようにストーリーや演出を考える」と井上監督。たしかに映画の文法をいい意味で無視したような展開と、それにともなう間が絶妙なのは、そういう創作過程に秘密があったのですね。

「主人公の親友の妹が関東弁なのには、何か意味があるんですか」という会場からの質問への回答には、荒木ディレクターからの突っ込みも。会場が湧いていました。


「これからも絶対撮り続けるし、次回作のことばかり考えてイロイロ手につかない」と笑う監督。旺盛な制作意欲で、きっと次もガツンとかましてくれるでしょう!

日曜日

☆フランス映画大集合☆

 冬のパリの何気ない街角で繰り広げられる、くすっと笑える場面、ちょっと切ない場面、うすら寒かったり、ほろっとしたり。春は曙、冬はパリってくらい、パリには冬が似合う気がします。だからというわけではないでしょうが、この「パリところどころ」、今年の12月で上映期限切れ。KAVCでは12月23、24日、2日間だけの駆け込み上映が決定しました。言わずと知れたヌーヴェル・ヴァーグの巨匠たち6人のオムニバスです。


 さらにその6人のなかのひとり、ヌーヴェル・ヴァーグの立役者であり顔役、J・L・ゴダールの「女は女である」も同時期に特別上映! あと24時間で24才が終わっちゃう、そんなとき「24才のうちに子供がつくりたい!」と思い立ってしまったアンジェラ。恋人のエミールはまるでその気がない(あたりまえだ)ので、友人のアルフレッドに頼みに行くことに。ニーナの突飛な思いつきの顛末はどうなる?

 とにかくゴダール唯一のミュージカル作品。歌って踊ってのアンナ・カリーナは「気狂いピエロ」でも少し拝めますが、やっぱり本気度が違うでしょう。とってもハッピーな気分になれるゴダール作品ってのも珍しい。是非スクリーンで見ておかねば、ですね。


 ということで、12月は「アニエスの浜辺」「ヴァルダ&ドゥミ特集」も合わせてフランス映画大集合です! お楽しみに〜

地下鉄のザジ 完全修復ニュープリント!

 おかっぱすきっ歯のおませな女の子、ザジが帰ってくる!


 ルイ・マルのシュールなスラップスティック、「地下鉄のザジ」が、完全修復ニュープリント版で復活。田舎からおじさんを訪ねてパリに出てきた少女ザジ。一番楽しみにしていた地下鉄がスト中で動いていない。がっかりしているザジに、ロリコンおやじが寄ってくる。ジーンズ買わせて、ムール貝をたらふく食べて、逃げだすザジ。ティールロヴァーの「ひなぎく」みたい。パリの町中でおいかけっこになるふたり。そのうちマネキンみたいに綺麗なおじさんの奥さんや、始終ラブラブしてるカフェのカップル、欲求不満の未亡人などなど、周りの変な大人たちも巻き込んで、一大騒動に。


 子どもが主役の映画なのにブラックユーモア満載で、結構セクシージョークもあったりするのがフランスっぽい。ザジからして大人に「真実を言って!」と迫るような、「こんな子親戚にいたら嫌」タイプで、地雷踏みまくり発言を数々するんです(「おじさんはゲイなの?」)。まあ大人のつくりだした幻想っちゃ幻想なんですが・・・


 エッフェル塔やセーヌ川遊歩道、モンマルトルにノミの市など、パリの空気を思いっきり味わえるのも魅力的。


 さあ、ザジと一緒にパリを駆けめぐりましょう!


★「地下鉄のザジ 完全修復ニュープリント版」今冬上映予定

土曜日

シング・フォー・ダルフール

 ダルフールって何よ? って思った方も多いかと。人名? 地名? これって音楽映画? というか、知らないのわたしだけ?


 舞台はバルセロナ。街を行き交う人々の日常を、一人を追いかけては誰かに乗り換えるカメラが切り取ります。人々は「ダルフール」を何かの記号のように連発しますが、はっきり言って映画を見てもダルフールについて分かることはほとんどない。分かるのはその日、バルセロナで「シング・フォー・ダルフール」というチャリティーコンサートがあり、みんながその噂でもちきりらしいことだけ。


 テンポよく進んでいくストーリーにかまけているうち、「で、ダルフールって?」という疑問は終盤まで持ち越されます。「ダルフールのことなんて、何も知らない」とつぶやく登場人物の言葉に、我が身を振り返る。せわしないカメラの動きが止まり、静かで美しいエピローグが始まる。世界はちょっとずつ繋がっていて、偶然の積み重ねが思いがけない出会いと一瞬の心のふれあいを呼ぶ。


 いろんな可能性が頭をよぎって、わたしも過去、現在、未来どこかで「ダルフール」に繋がるのかもしれないと、思ってみるのです。


上映期間:12/5(土)〜12/11(金)  20:35

Tシャツつき前売2500円、通常前売1300円 発売中!

(Tシャツつきは当館窓口のみの販売です)

木曜日

アニエス・ヴァルダとパティ・スミス

「アニエスの浜辺」

ヌーヴェル・ヴァーグの新星としてデビューした女性監督、アニエス・ヴァルダ。引っ込み思案な幼少期、デビュー後の華やかな交友関係、最愛の夫ジャック・ドゥミとの出会い、そして辛い別れ・・・。数々の名作を生んできた81年の人生を、めくるめく色の洪水とキッチュな映像で振り返る旅。


「パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ」

ロバート・メイプルソープ、ウィリア

ム・バロウズ、アレン・ギンズバーグらとあつく親交をむすび、ヒッピームーヴメントのカリスマとして活躍したパティ・スミス。詩人であり、ミュージシャンであり、ドローイングアーティストや活動家の多彩な顔をもつ彼女を、11年にわたり追い続けたドキュメンタリー。


激動の20世紀をアーティストとして駆けぬけ、今なお一線で活躍するふたりの女性のドキュメンタリーが、12月公開予定です。


50年代、ヌーヴェル・ヴァーグの新星としてデビューした女性監督、アニエス・ヴァルダ。

70年代、ヒッピームーヴメントのカリスマとして活躍した詩人・ミュージシャン、パティ・スミス。

アニエス・ヴァルダは81才、パティ・スミスは62才、親子くらいの年代ですね。戦中派と団塊世代といったところでしょうか。ふたりともエネルギッシュなのですが、アニエスが母として妻としての側面を強く感じさせるのに対して、パティは性別を越えたところにある何かを探求している印象。夫で盟友でもあったジャック・ドゥミを思って「今でもどうしていいか分からない」と泣くアニエス。彼女はドゥミを今でも本当に大切に思っていて、作中にはドゥミについての回想が多く出てきます。


対して、一時期パートナーだった写真家・メイプルソープの骨粉(!)を骨壺から手のひらにとり、「これだとどこでも一緒にいける」と微笑むパティ。夫や弟、親交のあった詩人たち、数々の別れの経験も淡々と語っていきます。ついでに、「女としてどうかと思うけど」と前置きしながら、小型飛行機の中で瓶にオシッコした話も・・・


個々の性格や国民性もあるので、一概にこうとは言えないけれど、「戦後強くなったのは女性とストッキング」というおっさん臭いせりふを浮かべてしまったり。世代間の違いから見るのも面白いですよ。

月曜日

映画のフライヤー

映画に来られたお客様がよくおっしゃるのが、「今日の映画のフライヤーありますか?」とのご質問。ただ残念ながら当日では切らしていることが多いです。ではレアな(?)KAVC上映作品のフライヤーをどこに設置していただいてるかというと・・・ 

まずは、市内の映画館。 シネ・リーブル神戸さん パルシネマしんこうえんさん 神戸映画資料館さん MOVIX六甲さん シネピピアさん

それから大阪の映画館では、 十三第七藝術劇場さん シネ・ヌーヴォさん テアトル梅田さん 梅田ガーデンシネマさん シネ・リーブル梅田さん シネマート心斎橋さん プラネット+1さん には、いつも全種類のフライヤーを設置していただいております。(大阪で上映があるものに関しては例外あり)

神戸の街では、トアウェスト周辺の雑貨屋さんや、洋服屋さん。 栄町周辺のお店やギャラリーにも、数多く設置していただいています。 
公共文化施設の利点を生かして、市内の図書館や公民館にも(種類は限られますが)設置していただいています。 お立ち寄りの際には是非、探してみて下さい。

もっと確実に手に入れたい!という熱心な方には、KAVCクラブへのご入会がおすすめです。季刊の「ART VILLAGE VOICE」と共に、映画や演劇、美術のフライヤーもお届けしています。